理科教育講座 理科教育分野
中山 慎也(博物館教育、防災教育、エネルギー環境教育)
オフィス 1号館2階(改修工事中は萩朋会館2階の大集会室)


【テーマの決め方】
卒業研究のテーマは、学生が自分で取り組みたい課題を提案し、ゼミでの討論を経て決定する場合と、こちらが提案した課題の中から選択する場合のいずれかで決定します。特に前者の場合、仮配属の目処のついた頃から早めに相談しましょう。
 研究は、自分の興味あるテーマについて過去の文献を調査することから始まります。計画に基づいて実験や研究授業を行い、得られた結果を分析して改善を重ねます。これまでと異なる何か新しい知見を得たり、有用性を明らかにしたりすることができたら、それを論文にまとめて発表します。
 なお、教材・教具や授業の開発をテーマにする4回生の場合、必ずしも新規性を最重要視せず、有用性を重視することにします。得られた成果を、理科教育系の学会で発表することを推奨しています。
 1,2回生の頃からゼミの様子を見学することや、テーマ案の相談をすることも歓迎します。メールで問い合わせたり、研究室を訪ねたりしてください。見学や相談の後、自らの意思で他の研究室へ進むことになったとしても、私に気を遣う必要は全くありません。私たち教員は、積極的なみなさんの修学を常に応援します。

【興味や関心のあること】
 この研究室は、2019年11月に発足しました。それまで私は、2002年7月に開館した出雲科学館(島根県出雲市)の第一期の教職員として、ノーベル賞受賞者や宇宙飛行士の方々をお招きしての講演会や出雲少年少女発明クラブでの指導【社会教育】、出雲市内の小中学生を対象にした科学館理科学習【学校教育】や教員研修、大学生の博物館実習などを担当してきました。
※詳細は「中山慎也 出雲科学館」で検索し、参考にしてください。

 仙台都市圏域は、科学館・天文台・動物園・植物園・水族館など科学系博物館に恵まれた素晴らしい環境です。この恵まれた環境が学校教育にどのように活用されているのか(活用することができるのか)、ということに私は関心を持っています。
 学習指導要領の中で博物館等の活用に関する具体的な記述は、例えば小学校理科の場合、指導計画の作成と内容の取扱いの中に「博物館や科学学習センターなどと連携、協力を図りながら、それらを積極的に活用するよう配慮すること」の記述があります。中学校理科では「博物館や科学学習センターなどと積極的に連携、協力を図るようにすること」となっています。単元の目標を達成できるように、科学系博物館の教育資源の活用を指導計画の中にどのように反映させるとよいでしょうか。

 大人になるにつれて「私たちの社会は、気象によって大きく左右されることがたくさんある」と再認識するようになりました。例えば本学に着任する直前、令和元年台風19号(2019年10月)により宮城県内はもちろん全国的に大きな被害が発生しました。
 今後も、大雨・洪水・台風など自然災害は、必ず発生します。災害の発生時あるいはその発生する前に「自分の身は自分で守る!」と児童生徒が避難行動を起こせるようになるにはどのような学習が効果的なのか、防災・減災教育に貢献したいです。

 ほかに、大学や研究所などの成果を初等・中等教育に活かすための取り組みや、エネルギー領域の化石燃料や放射線に関する教材化について関心があります。


【みなさんに意識してもらいたいこと】
 あなたの卒業研究の成果や教育研究能力の修得が、社会に貢献する宮城教育大学の教員養成の一翼を担っています。 次世代育成に係る教育は、常に社会から高く期待されています。
・自然科学や教育について、質の高い書籍を読み、知識を広く吸収しよう。
・身の回りの当たり前を無条件に受け入れず「なぜ?」と考えてみよう。 
・将来教育に携わる者として、日常の話し言葉にも気を遣い、正しい日本語・敬語の使い方を心掛けよう。

【その他】
 他のメンバーの研究や社会貢献の活動として、児童生徒や一般の方を対象とした実験教室の予備実験や準備、当日の運営などにも積極的に携わってもらいます。
 基本的な救命講習や接遇研修の受講を推奨しています。
 歓送迎会や忘年会など研究室行事の幹事の務めを無難に果たすことができるように、これまでの私の経験を伝授します。

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Miyagi University of Education.