本事業のねらいは、教員養成大学と研究大学が共同して理科教員養成の学修プログラムを実施し、更に教育委員会と連携して学校現場での実践体験プログラムを組み入れることで、指導的立場に立って活躍できる理科教育の教員を養成することにある。そのプログラムは、次の3つの柱からなる。
宮城教育大は主に1.と2.の柱を、東北大理学部・理学研究科は主に2.の柱、そして教育委員会と宮城教育大の連携の下で3.の柱を担う。
1.募集人員
約20名
2.参加資格
3.参加申込
(1)申込方法
宮城教育大学研究協力室、または、東北大学理学部教務係にて、参加申込書(別紙)に必要事項を記入して提出する。
(2)申込期間
平成22年2月1日(月)~3月12日(金)
(3)申込にあたっての留意事項
4.参加者認定
5.募集に関する問い合わせ
宮城教育大学 理科教育講座: 担当・川村
宮城教育大学 研究協力室: 担当・武澤
6.養成プログラムについて
(1)趣旨
宮城教育大学、東北大学理学研究科、宮城県教育委員会、仙台市教育委員会が連携して、将来、地域の小学校や中学校の理科担当として、中核的な教員(コア・サイエンス・ティーチャー)となるよう、資質と力量を高める。
(2)プログラム修了要件
「基盤充実」カテゴリ
・包括的実験履習 90時間以上
宮城教育大学で開講される物理学/化学/生物学/地学の各実験科目について、1科目以上追加修得する。
・補強講義履習 90時間以上
宮城教育大学で開講される物理学/化学/生物学/地学の各講義科目について、2科目以上追加修得する。
「展開促進」カテゴリ
・特別講義履習 60時間以上
東北大学で開講される理科関係の指定講義科目を2科目以上聴講する。
・研究施設訪問 30時間以上
東北大学またはそれ以外の研究施設への訪問活動に1回以上参加する。
「実践蓄積」カテゴリ
・科学学習支援活動 30時間以上
宮城県教育研修センターの小学校科学巡回訪問または仙台市科学館の中学校科学館学習への支援活動に参加する。
・理科授業支援活動 90時間以上
仙台市内または宮城県内の小学校・中学校で行われる理科授業の支援活動に参加する。
参加者の所属によって異なる(募集要項参照)。
(3)プログラム実施期間
平成22年4月 ~ 平成24年3月
(4)プログラム修了認定
理科の教材開発、実践的指導、展開・応用・発信の力量を備えつつ、理科教育の改善や新たな学校づくりで中心的役割を果たしている教員をCSTとして認定して、その活動を様々な面で支援することを通じて、他の理科担当教員にも波及させてゆく。特に、養成プログラム参加学生の支援と助言の双方向的交流によって、CSTの様々な力量や観点が伝授されることで、将来の力量ある教員の育成につなげる。
現職CSTは、実績や経験をふまえて、自らの実践例、教材作成や指導の手法、新たな授業、などについて紹介・提案し、他の教員への啓蒙・普及を図る。同時に、養成プログラム参加学生に対して、よき先輩の役割を担う。
東北大学の附属研究施設に対して、養成プログラム参加者の受入が可能かどうか、また事前視察できるかどうかを打診した。原子核理学研究施設、ニュートリノ科学研究センター(カムランド)、巨大分子解析研究センター、地震・噴火予知研究観測センター、惑星プラズマ・大気研究センター、複合生態フィールド教育研究センター、浅虫海洋生物学研究センターなどが受入可能であり、このうちいくつかのセンターについて、受講生の研修内容・時期を確認するために事前視察を行った。東京大学宇宙線研究所神岡宇宙素粒子研究施設(スーパーカミオカンデ)、国立天文台地球回転研究系水沢観測センターなどの研究施設にも視察受入を依頼した。スーパーカミオカンデ、XMASSおよびカムランドには、平成22年2月に宮城教育大学教員が同行して、宮城教育大学3年次学生(7名)の視察訪問を行い、旅程、研修内容、教育効果などについて確認した。
仙台市科学館が実施する中学校実験学習で、宮城教育大学3年次学生が、平成22年2~3月の間に計6回(参加学生5名)支援活動を実施した。
教育研修センター県内各地の小学校科学巡回訪問への支援活動として、平成21年9~11月の間にガイダンスを含め計6回(参加学生6名)実施し、学習支援と教材作成等の支援を行った。
1. 事業実施に関する連携協力の緊密化とCST養成プログラムの検討
a. CST養成プログラム実施委員会の設置
宮城教育大学を中心として、東北大学理学研究科・宮城県教育委員会・仙台市教育委員会・宮城県教育研修センター・仙台市科学館による協議の下で、 CST養成プログラム実施委員会を設置する。
b. CST養成プログラムの検討
CST養成プログラム実施委員会において、養成プログラムの中の3カテゴリーの修得時間・時期・評価方法などについて検討する。
2. 大学間単位互換認定に関する規定・制度の整備
宮城教育大学と東北大学理学研究科の各教務担当において、単位互換認定に関する規定・制度に関して、相互に整備を進める。
3. CST養成プログラム受講希望者の募集とその準備
宮城教育大学と東北大学理学研究科・生命科学研究科において、次年度のCST養成プログラムで対象となる学部・大学院学生に周知して、受講希望者をできるだけ多く(最低10名以上)募集する。
4. CST養成プログラム「基盤充実」カテゴリー修得科目の授業整備
宮城教育大学において、CST養成プログラムの中の「基盤充実」カテゴリーの修得授業科目の出講体制と内容に関して、より効果的な実施のための整備を進める。
5. CST養成プログラム「展開促進」カテゴリー修得科目の授業整備と試行
a. CST養成プログラム「展開促進」カテゴリー修得科目の授業整備
東北大学理学研究科において、CST養成プログラムの中の「基盤充実」カテゴリーの修得授業科目の出講体制と内容に関して、より効果的な実施のための整備を進める。
b. CST養成プログラムの「展開促進」カテゴリーの先端的研究施設見学の試行
宮城教育大学において、先端的科学研究施設・機関との打合せを行い、参加学生を募って見学を試行する。
6. CST養成プログラム「実践蓄積」カテゴリー活動内容の整備と試行
a. 「理科支援員」活動状況の検証
宮城県教育委員会および仙台市教育委員会において、宮城教育大学の「理科支援員」活動状況を調査し、宮城教育大学において現学生からヒアリングを行う。
b. CST養成プログラム「実践蓄積」カテゴリー活動の試行
宮城県教育研修センターの科学巡回訪問、および、仙台市科学館の実験教室において、学生の参加支援を試行して、実践活動内容を検証する。
本事業の趣旨、並びに活動について、ホームページ並びにブログを作成し公開する。宮城教育大学、東北大学大学院理学研究科、宮城県、仙台市等の実施機関が共有する情報を発信するとともに、現職CSTが持っている理科学習指導や教材開発等の情報を発信し広く共有する。活動の報告はブログにて紹介する。なお、内容については事務局にて編集する。
現職CSTに対して養成プログラム参加学生の受入を依頼する。また、連絡会議を設定する。授業公開は現職CSTの日程に応じて行う。活動内容についてはブログにて紹介する。
1.平成22年7月
第1回CST会議 宮城教育大学
現職教員CST任命式
現職教員CSTと養成プログラム参加学生との連絡会
2.平成22年12月
第2回CST会議 宮城教育大学
3.平成23年2月
第3回CST会議 宮城教育大学
養成プログラム参加学生の支援活動を積極的に行う。
1 科学館学習
2 宮城県教育研修センター科学巡回訪問
3 現職CST活動への支援(1校90時間程度)
宮城県内・仙台市内小学校8校
宮城県内・仙台市内中学校9校
昨年に準じ、今年度も各種研究施設の訪問、視察を行う。
1 東北大学サイクロトロンRIセンター
2 東北大学浅虫海洋生物研究センター
3 東北大学植物遺伝学関連研究施設
4 国立天文台水沢観測センター
5 東北大学ニュートリノ科学研究センター(カムランド)
宮城県、仙台市における実践研究の紹介・発表を公開する。
1 各小学校・中学校理科研究大会
2 自主公開研究発表会
現職CSTの要請に応じて大学教員が活動内容について支援する。