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出口 竜作 DEGUCHI Ryusaku(動物発生学、細胞生理学)
[研究内容]
 私は、動物の発生過程における最初の段階である「受精」という現象に興味を持っています。「卵」という細胞は、何もなければいわば眠っているような状態にあるのですが、「精子」という別の細胞から何らかの刺激を与えられると活性化し、発生を開始します。精子による卵活性化のメカニズムとは、一体どのようなものなのでしょうか?また、そのメカニズムは、動物の進化過程を通して一定なものだったのでしょうか、それとも変化してきたのでしょうか?
これらを明らかにするために、私達の研究室では、以下の2点に重点をおいて、研究を進めています。
(1) 受精のメカニズムの比較解析
クラゲ、ウニ、二枚貝、笠貝などの卵や精子を用い、精子由来の卵活性化物質を卵に作用させた時の効果、卵による精子誘引活性や卵内Ca2+濃度の受精に伴う変化などについて調べ、動物間での比較を試みています。
(2) 新たな実験動物の開発
ヒラムシやゴカイなど、これまで受精のメカニズムがあまり明らかにされてこなかった動物の飼育や人工受精の条件を検討し、実験材料としての確立を試みています。
[主な研究論文]
(1) Deguchi, R. and Morisawa, M. External Ca2+ is predominantly utilized for cytoplasmic and nuclear Ca2+ increases in fertilized oocytes of the marine bivalve Mactra chinensis. J. Cell Sci. 116, 367-376, 2003.
(2) 出口竜作, 竹田典代, 伊藤順子. シャーレの中の小さなクラゲ─タマクラゲの採集・飼育の方法と生物教育への活用の可能性─. 生物教育 43, 16-24, 2002.
(3) Deguchi, R., Shirakawa, H., Oda, S., Mohri, T. and Miyazaki, S. Spatiotemporal analysis of Ca2+ waves in relation to the sperm entry site and animal-vegetal axis during Ca2+ oscillations in fertilized mouse eggs. Dev. Biol. 218, 299-313, 2000.
(4) Kyozuka, K., Deguchi, R., Mohri, T. and Miyazaki, S. Injection of sperm extract mimics spatiotemporal dynamics of Ca2+ responses and progression of meiosis at fertilization of ascidian oocytes. Development 125, 4099-4105, 1998.
(5) Deguchi, R., Osanai, K. and Morisawa, M. Extracellular Ca2+ entry and Ca2+ release from inositol 1,4,5-trisphosphate-sensitive stores function at
fertilization in oocytes of the marine bivalve Mytilus edulis. Development 122, 3651-3660, 1996.
[主な担当授業科目]
自然科学基礎B、理科a、生物学講義IA、生物学実験I、生物学実験II、生命地球科学B、自然環境実験C、生命環境実習、生命環境演習・・・など。主に、「細胞」、「生殖」、「捕食」に焦点をあてた講義、実験、実習、演習を行っています。
[連絡先]
電話番号: 022-214-3413
FAX番号: 022-211-5791
 
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Miyagi University of Education.