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福田 善之 Yoshiyuki FUKUDA(素粒子物理学・ニュートリノ物理学)
研究内容
岐阜県神岡町の山中にあるスーパーカミオカンデ(SK)装置で測定した太陽ニュートリノのデータを用いて、ニュートリノ振動(ニュートリノ質量)の研究を行っています。SKは1998年に大気ニュートリノ振動の証拠を発見し、ニュートリノに質量があるという素粒子の標準理論を超えた世界初の結果を得ました。さらに、2001年には太陽ニュートリノも振動している確証を得ました。まさに、ノーベル賞級の発見が次々となされています。研究室では、SKのデータからニュートリノ振動の詳細な研究を行うと同時に、超新星爆発にともなうニュートリノバーストの探索等も行っています。一方、将来計画として暗黒物質探索を行うXMASS実験や、未発見のニュートリノ振動解の探索を行う大強度陽子加速器(JーPARC)を使ったT2K実験やフランスの原子炉を用いたDChooz実験にも参加しています。また、独自の研究としてインジウムを使った低エネルギー太陽ニュートリノ観測装置の開発も行っています。
主要研究論文
1. Letter of Intent for KASKA: High Accuracy Neutrino Oscillation Measurements with anti-nu_es from Kashiwazaki-Kariwa Nuclear Power Station, hep-ex/0607013 (2006)
2. On-site underground background measurements for the KASKA reactor-neutrino experiment, Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A 568 (2006) 710-715
3. Solar neutrino measurements in Super-Kamiokande-I, Physical Review D 73 (2006) 112001
4. Evidence for Muon Neutrino Oscillation in an Accelerator-Based Experiment, K2K collaboration, Physical Review Letters 94 (2005) 081802-081807
5. A Measurement of Atmospheric Neutrino Oscillation Parameters By Super-Kamiokande-I, Super-Kamiokande Collaboration, Physical Review D71 (2005) 112005-112037
6. Limits on the Neutrino Magnetic Moment using 1496 Days of Super-Kamiokande-I Solar Neutrino Data, D.W.Liu, Y.Fukuda, et al., Physical Review Letters 93 (2004) 021802-021807
7. Precise Measurement of the Solar Neutrino Day/Night and Seasonal Variation in Super-Kamiokande-I, S.Fukuda, Y.Fukuda, et al., Physical Review D 69 (2004) 011104-011108
8. Search for Electron Neutrino Appearance in a 250k km Long Baseline Experiment, K2K Collaboration, Physical Review Letters 93 (2004) 051801-051806
9. Status of solar neutrino observation at Super-Kamiokande, Y.Fukuda, Nucl. Instr. And Meth. A503 (2003) 114-117
10. Determination of Solar Neutrino Oscillation Parameters using 1496 Days of Super-Kamiokande-I Data, Super-Kamiokande collaboration, Phys.Lett. B539 (2002) 179-187
11. Constraints on Neutrino Oscillations Using 1258 Days of Super-Kamiokande Solar Neutrino Data, Super-Kamiokande collaboration, Phys.Rev.Lett. 86 (2001) 5656-5660
12. Solar 8B and hep Neutrino Measurements from 1258 Days of Super-Kamiokande Data, Super-Kamiokande collaboration, Phys.Rev.Lett. 86 (2001) 5651-5655
13. Evidence for Oscillation of Atmospheric Neutrinos, Super-Kamiokande collaboration, Phys..Rev.Lett 81 (1998) 1562
担当授業科目
初等教員養成課程・中等教員養成課程
理科基礎講義Aa:理科教科内容の基盤となる知識・解法等に関する講義です。高校理科での未履修科目の補習的内容を含みます。
理科講義A:小学校理科の学習内容に沿った物理学の基礎概念を理解し、幅広い視野に立った知識の修得を行います。特に、力学、波動現象、電気・磁気的現象を中心の基礎的な内容の理解を行います。
理科教育専攻
物理学講義IA:近代科学のあらゆる領域・分野にわたって最も基本的な原理であるエネルギー保存則とエントロピー増大則を力学と熱力学によって学びます。力学は私達の自然観の根幹をなすものです。熱力学は化学反応をはじめ生体組織、気象、宇宙の進化など多くの領域において必要不可欠な要素となっています。
物理学講義IB:現代物理学を理解するためには、力学や熱現象に加え振動・波動を含めた光学や電磁気現象の理解が不可欠です。本講義は波動と電磁気学を学習します。
物理学講義II・原子分子物理学:原子や分子といったミクロ現象を、量子力学や相対論、電磁気学を使いながら講義します。
物理学実験I:基礎的な光現象や電気実験などを通し、さまざまな物理量を測定する実験方法についての理解を深めます。また、コンピュータを活用して現象の解析や物理的概念を習得します。
総合演習6:児童、生徒の自然理解を援助する方法について、多角的に分析し、実践を踏まえて総合的に議論する。フレンドシップ事業に参加する予定の授業です。仙台市と仙台市近郊の中学生100名前後を本学理科学生実験室に招き、前期の授業の中で学生自らが設計した理科実験のプランを、いくつかのコースに分かれて実践します。
自然環境専攻
物質エネルギ−科学B:電磁波の現象は、自然界に限らず我々の身の回りの様々な機器で利用されています。本講義では波動の基礎を学び、続いて動的な電磁気現象についての基礎を講義します。電磁波はラジオや携帯電話などを例として、我々の生活や環境にどのように影響を及ぼしているかを考えます。
エネルギー環境演習B:卒業研究を視野に入れた物理学の演習を行います。主な内容は、固体物理学、相対論、高エネルギー物理学などの基礎についての学習であり、実験の方法や解析などについても学びます。
物質エネルギー科学実験A:基礎的な実験技術の向上をはかると共に、物理現象の本質的な理解を深め、実践を通して科学的思考法を体得します。講義との関連を考え、応用への基礎固めができるようにします。また、コンピュータを活用した物理的概念の理解を目指します。
教養教育科目
量子と宇宙:量子と宇宙を結ぶ最先端のメディアとして注目されているニュートリノは、素粒子・原子核・宇宙にまたがる基礎物理学の根本的な問題であるとともに、宇宙を探る新しい手段を提供しています。本講義はニュートリノに関わる最新の現状について簡単な解説を行います。
経歴
1987年 大阪大学理学部物理学科卒業
1992年 大阪大学大学院理学研究科博士課程修了
      理学博士
      日本学術振興会特別研究員
1995年 東京大学 宇宙線研究所 神岡宇宙素粒子研究施設助手
2002年 宮城教育大学 助教授
連絡先
[電話番号/FAX番号] 022-214-3411    
[E-mail]  fukuda@staff.miyakyo-u.ac.jp 
[WWW]   http://masamune.miyakyo-u.ac.jp/
 
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Miyagi University of Education.