棟方 有宗(Munakata Arimune) 講師 |
1995年3月 東京学芸大学教育学部生物学科卒業
2000年3月 東京大学大学院農学生命科学研究科
水圏生物科学専攻博士課程修了
2000年4月〜 日本学術振興会特別研究員
2003年4月〜 宮城教育大学生物学教室 研究分野: 動物行動生理学
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研究の内容 |
「魚類の回遊行動におけるホルモンの役割を解明する」
シロサケやアユ、そしてウナギなど、多くの魚類は川から海、あるいは海から川へと種によっては数千キロにもおよぶ大回遊を行うことが知られています。しかしこれらの魚がどのような体内機構によって長期間におよぶ回遊行動を繰りひろげているのかは、十分にはわかっていません。私達の研究室では、サクラマスやシロサケといったサケ科の魚を主な研究対象として、回遊行動の調節メカニズムを研究しています。特にこれまではサクラマスの回遊行動とホルモンとの関係について研究し、サクラマスでは生殖腺から分泌されるテストステロンという性ホルモンが、一連の回遊行動の発現を大きく調節していることを明らかにしてきました。そこで現在は、ホルモンによる回遊行動の調節がアユなどの他の魚類においても行われているかどうか、フィールド調査やホルモン量測定などを通じて研究を続けています。またその他にも研究室ではメダカなどの数種の魚類を飼育しており、様々な行動とホルモンとの関わりについて研究を行っています。 |
研究論文 |
1. Munakata et al. The involvement of sex steroid hormones in downstream and upstream migratory behavior of masu salmon. Comparative Biochemistry and Physiology Part B, 2001, 129, 661-669.
2. Munakata et al. The effects of testosterone on upstream migratory behavior in masu salmon, Oncorhynchus masou. General and Comparative Endocrinology, 2001, 122, 329-340.
3. 棟方有宗・会田勝美. サケ科魚類の回遊行動における性ホルモンの役割. 生物の科学 遺伝, 裳華房, 2002, 57, 83-88. |
担当する授業科目 |
<生命地球科学A(講義)>
動物の本能行動の仕組みをDNAや神経・内分泌系との関係から理解する。
<生物学講義IB>
魚類などの脊椎動物を題材として、生殖や行動に関する生理学を学ぶ。
<生物学実験I、II>
魚類などの脊椎動物を題材に、解剖・生理学の基礎的実験手法を習得する。
<自然環境実験C>
広瀬川や青葉山に生息する動物の生活史や形態を、フィールド調査をまじえて学習する。 |
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