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平成15年度サイエンス・パートナーシップ・プログラム
「教育連携講座」
宮城教育大学理科教育講座と宮城県仙台向山高等学校

 

 

グループごとに「課題研究」の経過を発表する仙台向山高校生

 
 文部科学省では平成14年度より「科学技術・理科大好きプラン」の一環として,先進的な科学技術・理科,数学教育等を実施するための「サイエンス・パートナーシップ・プログラム事業」を推進しています。理科教育講座では,本年度よりこの事業に参画し,宮城県仙台向山高校との教育連携講座を実施しています。
実験技術と研究方法を身に付け 自然現象のとらえ方を学ぶ
 講座は年4回,土曜日に実施され,午前の「実験教室」と午後の「課題研究支援」から構成されます。「実験教室」では,毎回異なる分野のテーマについて,研究の目的や方法,実験技術の基礎を大学教員が提示します。一方「課題研究支援」では,高校生が自ら設定した研究テーマに対する取り組みを,高校・大学の教員がサポートします。毎回の講座では研究の進み具合が発表され,高校における活動とはひと味違ったアドバイスを受けながら,半年間にわたり研究を行います。こうしたプログラムを通して,自然現象のとらえ方を学ぶことが,本講座の狙いとなっています。
 第1回の講座は9月6日(土),宮城教育大学で行われました。事業の主役である仙台向山高校理数科の2年生41名が,中島久壽校長や佐々木洋教諭はじめ,理科担当の先生方とともに来学。渡邉徹宮城教育大学副学長,理科教育講座の教員,ティーチング・アシスタントの大学院生を交えて,まず開講式が催されました。
 午前中の「里山と地域の自然」をテーマにした「実験教室」では,地域に着目して自然環境を研究することの意義が解説された後,大学周辺の地形や地層,植生を事例として,航空写真を用いた判読作業や,青葉の森に出かけての野外観察が行われました。
 午後はメインとなる研究企画の発表です。研究テーマは「Catch the wind!! 〜風力発電のすべて〜」「お茶の不思議」「調べよう!毛の性質」「クモの巣について」など,バラエティに富んだ15テーマを発表しました。大学の教官らから,さまざまな質問やアドバイスを受けた高校生からは,「具体的な指摘を受け,研究の方向性が見えてきた」「大学の先生,大学院生のアドバイスは専門的だった」「もっと討論する時間が欲しかった」など意欲的な声が寄せられ,次回までの“コミットメント”として,課題のさらなる追求を約束しました。
自ら問題を発見し,解決する力を
 第2回目は,10月25日(土)に行われ,自然光とレーザー光の違いを追求し,その利用法を考えることを目的に,光をテーマとした「実験教室」が実施されました。午後からは,「課題研究」の経過発表が,専門分野別に行われました。どのグループからも,アドバイスを基に改善が加えられた実験・観察方法が紹介され,さらなる課題への追求へと研究が発展している様子がうかがえました。

 研究に取り組むものは誰でも,さまざまなレベルの困難に出合います。何が問題なのか,それを解決するためにはどうすればいいのか・・・こうした問いかけや探求活動を我慢強く続けることで,きっと自ら学び,発見することの喜びを体感できるに違いありません。
 高校生の皆さんに大学の教員がどれだけの支援や指導ができ得るのか,新しい試みは始まったばかりです。仙台向山高校の理科担当の先生方と,連携をさらに強固なものとして,未来を担う若人の育成に積極的に取り組みたいと私たちは考えています。

 

 

航空写真を用いて広瀬川周辺の地形や植生を読み取っていく

 
 12月に続く3月6日の最終講座では,「仙台向山高校理数科生徒による課題研究成果発表会」の開催を予定しています。この発表会には,参加生徒41名の後輩にあたる1年生の皆さん,本学学生,そして保護者を含む市民の方々にも参加いただく予定です。
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Miyagi University of Education.